甲斐銚子塚古墳(かい ちょうしづか こふん)山梨県甲府市下曽根町
4世紀後半の前方後円墳(全長170m)で、大丸山古墳、丸子塚古墳、かんかん塚古墳とともに東山古墳群を構成する。(隣接する丸山塚古墳と一緒に、昭和5年(1930)に国指定史跡に指定)
「銚子塚」とは江戸時代の地誌類において前方後円墳に見られる通称で、酒器の銚子に似ていることに由来する。他の銚子塚古墳と区別するために甲斐銚子塚古墳とする。
出土品は、竪穴式石室などから三角縁神人車馬画像鏡1、内行花文鏡1、鼉龍鏡1、同じ鋳型で造られた仿製鏡の三角縁獣文帯三神三獣鏡(三角縁神獣鏡)1、半円方格帯環状乳神獣鏡ほか、水晶製勾玉4などである。
斐銚子塚古墳出土の三角縁神獣車馬鏡は、備前車塚古墳(岡山市)や群馬県三本木所在の古墳(藤岡市)そして藤崎遺跡(福岡市)出土鏡と同型の鋳型をもとに作られていたことがわかった。
2004年(平成16年)には、古墳に立てたれた木柱が出土した。祭祀に関連するものと思われるが、古墳から「木」が出土するのは珍しく、建造時期も4世紀であることから貴重な資料である。
古墳の東には考古博物館があり、出土品などが展示されている。