五塚原古墳(いつかはらこふん) 京都府向日市
寺戸町芝山「はり湖池」西側の山頂にある3世紀半ばから後半とされる前方後円墳。
全長約91.5m、後円部は直径54m・高さ9m、前方部は幅36m・高さ4m。
向日市埋蔵文化財センターは「箸墓と同じ設計、築造技術に基づき、同時期に造られた最古段階の大型前方後円墳と裏付けられた」と発表している。箸墓の3分の1規模であるが、2段で構成される古墳の前方部は、三味線の「ばち」型になっていることが判明している。また3世紀前半の祭殿遺構が発見された中海道遺跡(向日市物集女町)との関係も注目されている。
「規模は小さいが、箸墓古墳の本来の姿を知ることができる貴重な古墳だと考えられる。箸墓をモデルに造ったと理解されているが、五塚原は造られた年代を正確に判断できる遺物が見つかっていない。五塚原が先に完成した可能性の検討も必要となるかもしれない。」石野博信・兵庫県立考古博物館長