女山神籠石(ぞやまこうごいし)福岡県みやま市(旧山門郡やまとぐん)
標高約200mの古僧都(こそうず)山に構築された古代山城で、昭和28年に国の史跡に指定。現在、女山史跡森林公園として整備されている。
現在発見されている部分は西面並に南斜面の地域であるがその全長約2900mと推せられる。列石は巨大な切石で、西の傾斜面に粥餅谷、長谷、源吾谷、産女谷の4溪谷があり、いずれも水門を擁する。特に長谷の水門は保存状態も良好で史跡価値が高い。調査では列石は土塁を築くための基礎とされ、この上に2m程の版築工法による土塁が築かれ、木柵が建てられていたようだ。
田中吉政が柳川城を築いた際に城壁として使用したとの説がある。
7世紀中葉に築造されたと考える説が最も有力視されているが、正確な築造年代は不明。列石間からは、2本の銅矛が発見されており、2~3世紀のものと推定されている。このことから列石がもっと古い年代に築造されたのではないかという推察もなされ、古来は女王山と言われていたらしく、邪馬台国の候補地だという説もある。