江田船山古墳(えたふなやまこふん)
熊本県玉名郡和水町にある清原(せいばる)古墳群の中で最古・最大の古墳前方後円墳。(墳丘の長さはおよそ62メートル、5世紀末から6世紀初頭に築造か)
75文字の銀象嵌(ぎんぞうがん)銘をもつ銀錯銘大刀(ぎんさくめいたち)が出土しており、埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土した鉄剣とともに古墳時代の貴重な記録文書とされている。
主な出土品は、大刀をはじめとする刀剣や、甲冑などの武器・武具類、金銅製冠帽や沓、金製の耳飾、玉などの装身具、6面の銅鏡、馬具、陶質土器など。(出土品は東京国立博物館に展示)
銀錯銘大刀の銘文
台(治)天下獲□□□鹵大王世、奉事典曹人名无□(利ヵ)弖、八月中、用大鉄釜 并四尺廷刀、八十練、□(九ヵ)十振、三寸上好□(利ヵ)刀、服此刀者、長寿、子孫洋々、得□恩也、不失其所統、作刀者名伊太□(和)、書者張安也
「天の下しらしめしし、ワカタケル大王の世、典曹に奉事せし人、名はムリテ、八月中、大鉄釜を用い、四尺の廷刀をあらわす。八十たび練り、(九)十たびうつ。三寸上好の(刊)刀なり、この刀を服する者は、長寿にして子孫洋々、恩を得るなり。そのすぶる所を失わず。刀を作る者、名はイタ(ワ)書するのは張安なり。」(東京国立博物館)