若杉山遺跡(わかすぎやまいせき)徳島県阿南市水井町
四国霊場二十一番札所の太竜寺があり、この北側の「若杉山」の標高140~170mの山腹斜面
石臼・辰砂(シンシャ)原石が発見されており、古墳時代の水銀採取遺跡として知られている。魏志倭人伝の文中にも「其山有丹」とある。丹とは水銀を指し、朱色の顔料や塗料に使用された。古墳の内壁や石棺の彩色や壁画などに使用された。石臼は40点以上、石杵は300点以上出土している。弥生時代の終わりから古墳時代の初めまでが朱生産のピークと考えられる。
卑弥呼の時代(3世紀中ごろ)に水銀を産出されたと確認されているのはこの若杉山遺跡のみで、そのことからここを邪馬台国の本拠であるという説もある。